転職ノウハウ

AI時代にエンジニアの市場価値はどうなる?公開データで読む

生成AIでエンジニアの仕事はなくなるのか。IT人材不足の将来推計や生成AIの利用動向など、公的データをもとにAI時代のエンジニアの市場価値と、価値を保つために何を学ぶかを編集部が整理しました。

「生成AIが普及したら、エンジニアの仕事はなくなるのでは」——そんな不安をよく聞きます。一方で「AIを使えるエンジニアはむしろ引く手あまた」という声もあり、どちらが本当なのか分かりにくいのが実際のところです。この記事では、編集部が公的機関の公開データを調べ、AI時代にエンジニアの市場価値がどう動きそうかを、できるだけ数字ベースで整理しました。結論を先に言うと、「エンジニア全体の需要は不足が続く見込みだが、求められるスキルの中身は変わりつつある」というのがデータから読めることです。

データ1:IT人材はむしろ不足が続く見込み

まず前提として、日本のIT人材は今後も不足が続くと国が推計しています。経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表、みずほ情報総研に委託)によると、IT人材の不足規模は2030年に、需要が中位のシナリオで約45万人、高位のシナリオで最大約79万人に達すると試算されています。これは需要の伸びに供給(人材の育成・確保)が追いつかないという前提での推計で、「エンジニアという職種そのものが不要になる」という将来像ではありません。

足元の求人でも、この傾向は表れています。厚生労働省の職業安定業務統計をもとにした集計では、**情報処理・通信技術者の有効求人倍率は約1.47倍(2026年4月)**で、全職業平均の約1.18倍を上回っています(1倍を超えると求職者より求人が多い状態)。エンジニアは、労働市場全体で見れば需要が供給を上回る職種であり続けています。

データ2:生成AIの利用はまだ広がる途中

では、生成AIはどこまで普及しているのでしょうか。総務省「令和7年版 情報通信白書」によると、**日本の個人の生成AIの利用経験は2024年度で26.7%**でした。2023年度の9.1%から大きく増えていますが、米国の68.8%、ドイツの59.2%と比べるとまだ低い水準です。世代別では20代が44.7%と最も高くなっています。

企業側でも、AI・DXを担う人材の不足感はむしろ深刻化しています。IPA(情報処理推進機構)の「DX動向2025」(2025年公表)でも、DXを推進する人材の不足が続いていることが示されています。「生成AIが人材の仕事を奪う」段階より前に、まず「生成AIやAIを活用できる人材が足りない」段階にある——これが公的データから読める現在地です。

データから読める「市場価値の動き方」

ここまでのデータを重ねると、AI時代のエンジニアの市場価値について、次のように整理できます。

  • エンジニア全体の需要: 少なくとも2030年に向けては不足が続く見込み。職種としての消滅を示すデータは見当たらない
  • 求められるスキルの中身: 定型的なコーディングを「速く大量に書く」価値は、生成AIの補助で相対的に薄まっていく可能性がある
  • 価値が上がりやすい方向: 生成AIを前提に、要件を定義し・設計し・AIの出力を検証して品質を担保できるエンジニア。AIを「使う側」に回れる人材の希少性が高まりやすい

つまり「AIに仕事を奪われる/奪われない」の二択ではなく、AIを使いこなす側に回れるかどうかで市場価値が分かれていく、というのがデータの示す方向性です。

市場価値を保つために、今できること

数字が示すのは「エンジニアの需要は続くが、AIを使える側に回れると価値が上がりやすい」という方向性です。そこから、今できる現実的な一手は2つあります。

  1. 生成AIを実務で使える状態にする: 独学でも構いませんが、体系的に短期で押さえたい場合は講座を使う手もあります。学び方・料金・給付金の観点で候補を整理した生成AIが学べるスクール・講座比較も参考にしてください。
  2. 自分の市場価値を「今の相場」で確認する: 市場価値は、求人の実態を知らないと自己判断が難しいものです。転職するかどうかは別として、エンジニア向けの無料相談で年収相場や求人動向を聞くのは、有効な情報収集になります。相談先の選び方はエンジニア転職エージェント比較にまとめています。

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よくある質問

Q. 生成AIでエンジニアはいらなくなる? A. 公的データ上は、IT人材はむしろ2030年に向けて不足が続く見込みで、職種の消滅を示すデータは見当たりません。ただし「定型的なコードを書くだけ」の価値は薄まる可能性があり、AIを使いこなす側に回れるかが市場価値を左右しそうです。

Q. 未経験からでもAI時代に間に合う? A. 生成AIの利用は日本ではまだ広がる途中で、扱える人材は不足しています。未経験からでも、AIを前提としたスキルを身につける余地は十分あります。学び方は講座比較の記事も参考にしてください。

Q. 市場価値を知るには何をすればいい? A. 求人の実態を知るのが近道です。無料のキャリア相談で年収相場や求人動向を聞くのは、転職の意思とは切り離した情報収集として使えます。

まとめ

  • 経済産業省の推計では、IT人材不足は2030年に中位約45万人・高位約79万人(2019年公表)
  • 情報処理・通信技術者の有効求人倍率は約1.47倍で全職業平均を上回る(2026年4月)
  • 生成AIの個人利用は日本で26.7%(2024年度)とまだ広がる途中。使える人材はむしろ不足
  • 市場価値は「AIに奪われるか」ではなく「AIを使う側に回れるか」で分かれていく方向
  • 今できるのは「生成AIを実務で使える状態にする」「無料相談で今の市場価値を確認する」

エンジニアの需要そのものは当面続く見込みです。不安に飲まれるより、AIを使う側に回る準備を一つずつ進めるのが、市場価値を保つ現実的な道筋です。


出典(確認日2026-07-10)

  • 経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年公表、みずほ情報総研株式会社に委託)
  • 総務省「令和7年版 情報通信白書」(個人・企業におけるAI利用の現状/2024年度調査)
  • IPA(情報処理推進機構)「DX動向2025」(2025年公表)
  • 厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」をもとにした職業別有効求人倍率(2026年4月時点)

※ 本記事は編集部が公的機関の公開データを調査してまとめたものです。将来推計はシナリオ前提にもとづく試算であり、実際の結果を保証するものではありません。数値は最新の各公表資料でご確認ください。

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